サッカー用語辞典

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バイシクルキック

ばいしくるきっく

バイシクルキックとは、空中で体を後方に反転させながら、自転車のペダルを漕ぐような足の動きでボールを蹴るアクロバティックな技術である。オーバーヘッドキックとほぼ同じ意味で使われるが、バイシクルキックは特に両足を交互に動かす自転車漕ぎのような動作を強調する用語である。ブラジルのレオニダスが1930年代に「bicycle kick」として世界に広めたとされ、南米では「chilena(チレーナ)」とも呼ばれる。背後から来る高いボールに対して使用され、通常では届かない位置のボールをシュートクリアできる。成功には卓越した身体能力、柔軟性、空中感覚が必要で、失敗すると怪我のリスクも高い。ウェイン・ルーニー、ズラタン・イブラヒモビッチ、クリスティアーノ・ロナウドなどが試合で決めたバイシクルキックは、サッカー史に残る名場面となっている。特にイブラヒモビッチの2012年イングランド戦での30メートル超のバイシクルキックは、プスカシュ賞を受賞した。華麗で難度の高い技術として、サッカーの芸術性を象徴するプレーである。