サッカー用語辞典

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マンツーマン

まんつーまん

マンツーマンとは、守備選手が特定の相手選手を継続的にマークし、その選手がピッチ上のどこに移動しても追従して守備を行う戦術である。マンマークとも呼ばれ、ゾーンディフェンスとは対照的に、スペースよりも人を守ることを優先する。この戦術の利点は、危険な相手選手を徹底的に封じ込めることができる点である。特に、相手チームにエースストライカーや優れたプレーメーカーがいる場合、その選手を無力化する有効な手段となる。一方で、マークする選手が広範囲に動き回る場合、守備陣形が崩れやすく、マーカーが振り切られると危険なスペースが生まれるというリスクもある。歴史的には、南米サッカーで伝統的に用いられてきた守備方式であり、特にアルゼンチンでは「マルカシオン」として確立されている。現代サッカーでは、完全なマンツーマンディフェンスを採用するチームは少なく、ゾーンディフェンスをベースとしながら、特定の選手に対してのみマンツーマンを適用する「ミックスディフェンス」が一般的である。効果的なマンツーマンには、マーカーの持久力、一対一の守備能力、相手の動きを予測する判断力が求められる。