スキャニング
すきゃにんぐ
スキャニングとは、サッカーにおいて選手がプレーの前に周囲の状況を視覚的に確認する行為を指す。ボールを受ける前や受けた直後に、首を振って周囲を見渡すことで、味方選手の位置、相手選手の配置、利用可能なスペースなどの情報を収集する。優れた選手は1つのプレーの中で何度もスキャニングを行い、常に最新の状況を把握している。スキャニングによって得られた情報は、次のプレーの判断を早く正確にし、プレーの質を大きく向上させる。例えば、ボールを受ける前にスキャニングしていれば、受けた瞬間に最適なパスコースや次の動きを実行できる。逆にスキャニングが不足していると、ボールを受けてから周囲を見るため、判断が遅れ、相手にプレッシャーをかけられやすくなる。バルセロナで育成されたシャビ・エルナンデスやアンドレス・イニエスタは、頻繁なスキャニングで常に360度の視野を持ち、素早く正確な判断を下すことで知られていた。ラ・マシアなどのトップレベルの育成組織では、若い年代からスキャニングの習慣を身につけさせる指導が行われている。研究によれば、トップレベルの選手はボールを受ける前に平均6回程度スキャニングを行うとされ、これが高いプレー成功率につながっている。