動き出し
うごきだし
動き出しとは、サッカーにおいてボールを持っていない選手が、パスを受けるため、またはスペースを作るために走り始めるタイミングと方向を指す重要な攻撃技術である。優れた動き出しは、相手ディフェンダーの死角から突然現れる、または相手の対応が間に合わないタイミングで行われ、決定的なチャンスを生み出す。動き出しのタイミングは、パスの出し手がボールを蹴る直前やディフェンダーの注意が逸れた瞬間など、わずかなタイミングで大きく効果が変わる。早すぎるとオフサイドになり、遅すぎると相手に対応されてしまう。方向としては、ディフェンスラインの裏へのランニング(裏への抜け出し)、相手の間に入るポケット走、横方向へのランニングなどがある。トーマス・ミュラーやフィリッポ・インザーギは、優れた動き出しで多くのゴールを奪ってきた。動き出しには「一次走」と「二次走」があり、一次走で相手を動かし、そのリアクションを見て二次走で本命のスペースへ走る高度な技術もある。また、動き出しは単独ではなく、複数の選手が連動することで相手守備を崩す効果が高まる。ゲーゲンプレスやティキタカなどの現代戦術では、ボールホルダーに対して複数の選手が異なる方向へ動き出すことで、パスコースを作り出している。