サッカー用語辞典

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ティキタカ

てぃきたか

ティキタカとは、スペイン語で「チクタク」という時計の音を表す擬音語で、短いパスを素早くリズミカルに繋いでボールを保持し続けるサッカースタイルを指す。この用語は、2000年代後半にスペインサッカーで確立され、特に2008年から2012年にかけてのスペイン代表と、ペップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナが実践したスタイルの代名詞となった。ティキタカの本質は、正確なショートパスを高速で繋ぎ、相手を動かしながらスペースを作り出し、ボール保持率を極限まで高めることにある。この戦術では、トライアングルを形成したポジショニング、ワンタッチやツータッチでのパス回し、常に複数のパスコースを確保するサポートの動きが重要となる。カンテラ出身の技術に優れた選手たちが、幼少期からこのスタイルを叩き込まれることで、バルセロナの「DNAフットボール」として定着した。ティキタカの利点は、圧倒的なボール支配によって相手を疲弊させ、試合をコントロールできることである。一方で、ゴール前での決定力不足や、フィジカルの強い相手に対する脆さが弱点として指摘されることもある。現代サッカーでは、純粋なティキタカを実践するチームは減ったが、その戦術思想は多くのチームに影響を与えている。