アンティシペーション

あんてぃしぺーしょん

アンティシペーションとは、英語のanticipation（予測・先読み）を意味し、サッカーにおいて相手の動きやボールの軌道を事前に予測し、先手を取って動く能力のことである。この能力は守備においても攻撃においても極めて重要で、トップレベルの選手とそうでない選手を分ける重要な要素の一つとされている。守備面では、相手のパスコースを予測してインターセプトしたり、相手の動き出しを察知してマークについたりする場面で発揮される。攻撃面では、味方のパスやクロスが来るタイミングと場所を予測して先に動き出すことで、相手ディフェンスより有利な位置を取ることができる。アンティシペーション能力が高い選手は、フィジカルやスピードで劣っていても、先を読んで早く動き出すことで相手を上回ることができる。この能力は経験と試合分析、そして高いサッカーIQによって培われる。センターバックや守備的ミッドフィールダーには特に重要な能力で、パオロ・マルディーニやファビオ・カンナバーロなどは卓越したアンティシペーション能力を持つ選手として知られる。現代サッカーでは、ビデオ分析技術の発達により、相手チームのパターンを事前に研究し、アンティシペーションの精度を高めることが一般的になっている。