サイドバック
さいどばっく
サイドバックは、ディフェンスラインの左右に位置するポジションであり、英語のSide Backに由来する。SBと略され、右サイドバック(RSB)と左サイドバック(LSB)に分けられる。サイドバックの役割は、サイドからの攻撃を防ぐ守備だけでなく、攻撃時にはサイドを駆け上がってオーバーラップし、クロスを上げたり、時には中央に切れ込んでシュートを狙うなど、攻守両面での活躍が求められる極めて運動量の多いポジションである。このポジションに必要な能力は、豊富なスタミナ、スピード、1対1の守備力、クロスの精度、ドリブル技術、そして攻守の切り替えの速さである。特に現代サッカーでは、サイドバックの攻撃参加が戦術の重要な要素となっており、チームの幅を作り、数的優位を生み出すために不可欠な存在となっている。歴史的には、4バックシステムが普及した1960年代以降、サイドバックというポジションが確立された。それ以前は、フルバックと呼ばれる守備専門の選手がサイドを担当していたが、戦術の進化とともに攻撃参加が求められるようになった。カフー、ロベルト・カルロス、ダニエウ・アウヴェス、マルセロなどは、攻撃的なサイドバックの代表例として知られる。また、戦術によってはウイングバックと呼ばれる、より攻撃的な役割を担うこともある。