サッカー用語辞典

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オーバーラップ

おーばーらっぷ

オーバーラップとは、後方の選手が前方の味方選手を追い越して攻撃参加する戦術的な動きを指すサッカー用語である。特にサイドバックサイドハーフウイングの外側を走り抜け、タッチライン際で攻撃の幅を広げる動きが典型的である。この動きにより、相手ディフェンスは対応に迷い、スペースが生まれやすくなる。オーバーラップした選手がボールを受け取れば、クロスを上げる、またはカットインしてシュートを狙うなどの選択肢が生まれる。また、オーバーラップの動きそのものが囮となり、中央の選手が自由になることもある。現代サッカーでは、サイドバックの攻撃参加が重要な戦術要素となっており、トレント・アレクサンダー=アーノルド、ダニエウ・アウヴェス、マルセロなど、世界トップクラスのサイドバックは頻繁にオーバーラップを仕掛ける。ただし、オーバーラップ後に相手にボールを奪われると、守備の穴が生まれるリスクもある。そのため、オーバーラップのタイミング、中盤選手によるカバーリングオーバーラップ後の素早い帰陣など、チーム全体の連携が不可欠である。攻撃の厚みと守備のバランスを両立させる高度な戦術である。