サッカー用語辞典

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攻守の切り替え

こうしゅのきりかえ

攻守の切り替えとは、サッカーにおいて攻撃と守備の局面が入れ替わる瞬間における、チーム全体の素早い対応を指す戦術概念である。ボールを失った瞬間に即座に守備に切り替える「ネガティブトランジション」と、ボールを奪った瞬間に即座に攻撃に転じる「ポジティブトランジション」の2種類がある。現代サッカーでは、この切り替えの速さが試合の勝敗を左右する重要な要素となっており、特にユルゲン・クロップ監督が提唱するゲーゲンプレスは、ボールを失った直後の5秒間で即座にプレッシングを開始する攻守の切り替えの代表的な戦術である。ポジティブトランジションでは、ボールを奪った瞬間に相手の守備が整っていない状態を利用して、素早くカウンターアタックを仕掛けることが重要である。一方、ネガティブトランジションでは、ボールを失った位置の近くでカウンタープレッシングを行い、相手の攻撃を未然に防ぐことが求められる。攻守の切り替えを高速化するためには、選手全員が状況を瞬時に判断し、適切なポジションへ移動する組織的な連携が不可欠である。特にミッドフィールダーディフェンダーの連動性が重要であり、練習での反復によって自動化されたチーム戦術として機能する。