サッカー用語辞典

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ダブルボランチ

だぶるぼらんち

ダブルボランチとは、中盤の守備的な位置に2人の選手を配置するシステムを指す。「ボランチ」はポルトガル語で舵取りを意味し、日本サッカーで定着した用語である。海外では「ダブルピボット」や「ツーホールディングミッドフィールダー」と呼ばれる。このシステムは、4-2-3-14-4-2などのフォーメーションで採用され、中盤の守備を安定させるとともに、攻撃の起点としても機能する。ダブルボランチの役割は多岐にわたり、守備時には最終ラインの前でカバーリングを行い、攻撃時にはビルドアップの起点となる。2人の選手の特性によって、戦術的なバリエーションが生まれる。例えば、1人が守備的で1人が攻撃的な場合、役割分担が明確になる。また、両者が同じタイプの場合は、ポジションを入れ替えながら流動的にプレーすることもある。日本代表では、遠藤保仁と長谷部誠、現在では遠藤航と田中碧などの組み合わせが知られている。ダブルボランチの利点は、中盤の数的優位を作りやすく、ボール奪取後のカウンターアタックビルドアップがスムーズに行える点である。効果的なダブルボランチには、広い視野、パス精度、守備の読み、ポジショニングの技術が求められる。