サッカー用語辞典

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三角パス

さんかくぱす

三角パスは、サッカーにおいて、3人の選手が三角形を形成し、互いにパスを回す基本的かつ効果的なパス戦術である。この三角形のポジショニングにより、ボールホルダーは常に2つ以上のパスコースを持つことができ、相手のプレッシングに対して安全にボールを保持し、循環させることができる。三角パスの利点は、ボールを失いにくい、相手を動かして疲れさせる、スペースを作り出す、攻撃のテンポをコントロールできる、といった点にある。特に、ティキ・タカやポゼッションサッカーでは、三角パスが戦術の基盤となっており、FCバルセロナやスペイン代表が得意とするプレースタイルである。トレーニングでも、ロンド(鳥かご)と呼ばれる練習で、狭いエリア内で三角形を作りながらパスを回す技術が磨かれる。三角形の一辺が短すぎると相手に囲まれやすく、長すぎるとパスが不正確になるため、適切な距離感が重要である。また、三角形は固定的ではなく、常に動きながら形を変えることで、相手守備陣を混乱させることができる。現代サッカーでは、中盤での三角パスによるビルドアップが、攻撃の成否を左右する重要な要素となっている。