偽サイドバック

にせさいどばっく

偽サイドバック（False Full-back / Inverted Full-back）は、サイドバックの選手が攻撃時に本来のサイドのポジションを離れ、中央のミッドフィールドに入り込む戦術的役割である。ペップ・グアルディオラ監督がマンチェスター・シティで採用し、特にジョアン・カンセロが体現したことで注目された。通常、サイドバックは攻撃時にタッチライン沿いを駆け上がるが、偽サイドバックは内側に絞り、ボランチの位置に入ることで中盤の人数を増やし、ビルドアップとボール保持を強化する。これにより、相手のプレスを回避しやすくなり、パスコースが増える。同時に、本来サイドバックがいたスペースは、ウインガーが外に開くか、中盤の選手がサイドに流れることでカバーする。この戦術を実行するには、サイドバックに高い技術力、戦術理解力、パス能力が求められる。また、守備時のポジショニング移行もスムーズに行う必要がある。偽サイドバックの採用により、チームは中央でのボール保持が向上し、相手守備陣を横に広げて攻撃のスペースを創出できる。現代の戦術トレンドの一つとして、多くのトップチームで採用されている。